地震などによっておこる地盤沈下は大切な住宅にダメージを与えます。日本は地震が多い国であるだけに、住宅を保有している人は地盤沈下に対する正しい知識を持ち、沈下が起こった場合の対応方法を知っておくことはとても重要です。
このコラムでは、地盤沈下と地盤沈下修正工事についてわかりやすく解説していきます。ぜひ最後まで読んで大切な住宅を守る知識を増やしてください。
地盤沈下について
地盤沈下修正工事を解説する前に、まず地盤沈下のことを説明しましょう。
そもそも地盤沈下とは?
地盤沈下とは、国土交通省の解説によれば、地盤に存在する粘土層の間の砂や礫の層にある地下水を汲み上げすぎることによって、上下の粘土層が収縮して地盤が沈むこと、といった趣旨で書かれています。ただしこれは広域で起こる地盤沈下のメカニズムです。
狭い範囲では比較的近くで土を掘り返すような工事が行われた際に、地面の強度が下がったことに起因する沈下もあります。
また地震によって地盤沈下が起こる場合もあります。東日本大震災の際には数十センチから1メートル以上にも及ぶ地盤沈下が起こったところが何か所も観測されています。
こんな症状はありませんか?
地盤沈下が起こっていると、住宅や住んでいる人に以下のような症状が現れます。
- 窓や障子、ふすまなどスライドするものが以前より硬くなって扱いにくい
- ドアを閉めにくくなった
- 開けて置いたドアが風もないのに勝手に閉まる
- 家の壁にひび割れが増えてきた
- ビー玉などの丸いものを床に置くと自然に転がる
- めまいや立ちくらみがする
- 頭痛や吐き気がする
このような状況があれば家が傾いている可能性があります。早めに沈下修正工事の専門性が高く、信頼できる工務店に相談しましょう。
地盤沈下が起こると住宅はどうなる?
沈下の量によって被害は異なりますが、地盤沈下が起これば家が傾き、壁などに亀裂ができ、極端な沈下が起これば倒壊の危険もあります。また、住宅そのものだけでなく、水道管やガス管が破損することもあり、地盤沈下はさまざまな意味で生活に支障をきたす原因となります。
さらに、床の傾きがひどくなれば健康被害も懸念されますし、家そのものの強度が低下し続けます。そうなると新たに起こった地震で大きなダメージを受けるリスクが高くなってしまいますから、家の傾きは放置しないことをお勧めします。
地盤沈下修正工事とは?
この項目では地盤沈下修正工事について解説していきましょう。
地盤沈下修正工事とはどんなもの?
地盤沈下修正工事とはその名称の通り、地盤沈下による建物の傾きを修正し、水平を取り戻すための工事です。住宅の調査を行って傾きを確認したうえで、状況に応じた沈下修正工事を行う必要があります。
地盤沈下修正工事のさまざまな方法
地盤沈下修正工事にはアンダーピニング鋼管杭圧入工法、耐圧盤工法、土台上げ工法などがあります。
アンダーピニング鋼管杭圧入工法
大型重機や巨大な鋼材を使うことが無いので、住宅に住みながら施工ができるメリットを持っており、ベタ基礎や布基礎と呼ばれる基礎の両方に適用できます。再沈下のリスクが低い工法としても知られています。
施工としては、現状の基礎の周囲に作業スペースとなる穴を掘り、油圧ジャッキという道具で新たな杭となる鋼管を地盤が固い層まで打ち込みます。(この時も大きな音がするわけではないので、生活にはほとんど支障は出ません)鋼管が硬い層まで届いたらそれ以上進まないので建物を持ち上げるようになります。この杭を打ち込む作業を必要本数繰り返し、予定本数を打ち込んだらジャッキを調整して建物を水平にして、ジャッキの取り外しと接合部の補強、モルタル補強や埋め戻しなどを行えば終了です。
耐圧盤工法
アンダーピニング鋼管圧入工法より短い工期で施工ができ、費用も安い方法です。既存の住宅に住みながら作業ができるメリットがあります。ベタ基礎、布基礎の両方に採用できますが、地盤の状態にいくつかの条件があり、すべてのケースで適用できるわけではありません。
土台上げ工法
地盤を補強する特性はないので、さらに沈下する可能性が無いと判断した場合に使う工法です。今回上げた3つの中で最も安価で工期も短い方法です。また、住みながら作業ができる点、ベタ基礎、布基礎の両方に適用できる点などは共通のメリットです。
まとめ
地盤沈下と沈下修正工事についてまとめました。日本に住んでいる以上、地震はどこででも起こるものと考え、できるだけリスクを減らすことを考えることは非常に重要です。
株式会社SHOWAは、横浜市青葉区にある工務店で、地盤沈下修正工事を得意としています。建物の地盤沈下への対応でお困りの場合、当社は調査から施工までしっかりと責任を持って行いますので安心してお任せください。理由はわからなくても家が傾いている気がする、というレベルでも遠慮なく株式会社SHOWAにご相談ください。